ここ数年の家づくりのトレンドのひとつである、生活感を感じさせない”ホテルライク”な空間。
なるべく無駄を省いたすっきりとしたデザイン、モノトーンでまとめられた内装、高級感のあるフローリングやタイルなど、デザイン性にもこだわった家づくりが人気です。
そのなかでも、モダンでおしゃれな雰囲気が特徴のクアドロスリムは特に大人気。
絶対にクアドロスリムを使いたい!と心に決めている人も多いです。
しかし、クアドロスリムはデザイン性に優れる一方で”後悔している”という口コミもちらほら・・・
また、建築会社によってはクアドロスリムは取り扱いが出来ない、なんてことも。
そこで今回は、クアドロスリムの特徴や評判を徹底解説し、後悔しない家づくりをサポートします!
クアドロスリムにデザインが似ている、他メーカーのおしゃれドアも紹介しますので、ぜひ参考にしてください♪
大手ハウスメーカーに4年 / 年間1,000棟を手掛けるビルダーに8年 / インテリアコーディネーター
注文住宅業界に12年間勤めていた知識と経験を活かし、家づくりのノウハウを発信しています✨
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クアドロスリムとは?
クアドロスリムとは、住宅設備や建材を多数取り扱うサンワカンパニーから発売されている、モダンな雰囲気が魅力のデザインドア。
すっきりとしたアルミフレームに、一枚の大判ガラスをはめ込んだ、無駄のない洗練されたデザインが人気です。
サンワカンパニーのアイテムはトレンドを抑えたデザインが多く、おしゃれな家づくりには欠かせません。
そのなかでもクアドロスリムは、空間やインテリアに馴染みやすいミニマルなデザインで、様々なテイストのお部屋とマッチするため採用実例も多数。
シンプルモダンや和モダン、ホテルライク、リゾートライク、ジャパンディ、インダストリアルなど幅広い空間におすすめです。
片開きドア・親子ドア・片引き戸はもちろんのこと、引き違い戸や引き込み戸なども選べるので、空間の間仕切りや収納の扉としてもおしゃれですよ。
クアドロスリムの特徴
クアドロスリム=おしゃれというイメージですが、見た目のデザイン性はもちろんのこと、機能面にも様々な特徴があります。
家づくりにおいてクアドロスリムの人気は高く、施工例や口コミもたくさんあるので、ぜひ実際の使用感や性能にも注目してみてください。
デザイン性が高い
クアドロスリムは見付け16mmという細いフレームに、一枚ガラスをはめ込んだデザインが特徴です。
フレームが細いことですっきりとした印象になり、大判のガラスは高級感の演出にぴったり。
最近の家づくりでは”なるべく無駄をなくしたデザイン”がトレンドで、室内ドアなら天井の高さに合わせたハイドア、カーテンならレールが隠れる天井付け、窓枠も極力なくしたクロス巻きなどが人気です。
クアドロスリムはフレームとガラスだけのシンプルなデザインなので、家づくりのトレンドと相性抜群。
ごちゃごちゃせず、上品で高級感のある空間を演出してくれます。
ドアの種類が豊富
クアドロスリムは間取りやインテリアに合わせ、ドアの種類やガラスの種類を選択できるため、好みに合ったデザインでの家づくりを叶えられます。
片開き戸、片引き戸、親子ドア、FIXタイプ、間仕切りタイプなど種類は様々。
ガラスはクリア・ホワイト・ブロンズ・グレーの4カラーから選択でき、ブロンズやグレーは重厚感があり、よりモダンに仕上がります。
シンプルモダンやホテルライクな空間はもちろんのこと、クラシカルやインダストリアルな空間にも馴染みます。
空間が広く感じられる
大判のガラスにより奥に視線が抜け、ドア枠もないため、空間が広く感じられるといった特徴も。
ドアを隔てて間仕切りしながらも、つながりのある空間デザインが叶えられます。
上吊りで下レールが付かないため、ドアを開けば一体感のある空間に。
同じ広さの空間でも、素材や色合いによって視覚的な広さは変わるので、ガラスの大きいクアドロスリムはおすすめです。
上吊りで掃除がしやすい
クアドロスリムの取付は全て上吊り方式です。
高さは1800mm~2500mmまで対応しているため、天井付けのすっきりとしたデザインに。
上吊りで下レールがないため、見た目がすっきりとしているだけでなく、掃除がしやすいといったメリットも。
ドアのレールには埃が溜まりやすく、掃除機で傷が付いたりするため、ない方がベターです。
クアドロスリムを後悔している人がいるのはなぜ?
クアドロスリムについて評判などを調べると、後悔しているといった声も見かけます。
クアドロスリムは意匠性に優れる一方で、なかには不便さを感じてしまうことも。
デメリットになりうる特徴もしっかりと理解したうえで、自分たちのライフスタイルに合っているかどうか判断しましょう。
アウトセット付けは推奨されていない
クアドロスリムをアウトセットで取り付けている施工例も見かけますが、実はメーカーはアウトセットを推奨していません。
ただ推奨はしていなくてもダメというわけではないため、間取りによってはアウトセットで話が進んでしまうことも。
実際に、私の担当したお客様でも「ショールームでアウトセットのドアを案内された」ということがありました。
推奨していないのに、普通に案内されてしまうんですね。
間取りの関係上、どうしてもアウトセットにしたいという場合は、後で紹介する似たデザインのドアを検討するといいでしょう。
強化ガラスではない
クアドロスリムに使用されているガラスは、厚さ5mmガラスに飛散防止フィルムを貼ったもの。
強化ガラスではないため、激しくぶつかったり、物が当たったりすると割れてしまう可能性があります。
部屋のなかで思う存分遊びまわるような、わんぱくな年頃のお子さんがいる家庭には不向きです。
強化ガラスへの変更もできないので、割れるのが心配であれば、他メーカーを検討しましょう。
ドアが重たい
クアドロスリムの扉は重量があるため、ドアが重たいと感じる人もいるようです。
ガラスの重さは約35kgなので、小さいお子さんには重たいですね。
また片開き戸や親子ドアは閉める際、バタンと大きめの音がしてしまうため注意が必要です。
ドアクローザーのマグネットで引き込みを強くしているとのことですが、扉に重量があるので指の挟み込みにも気を付けましょう。
気密性に劣る
ドアは全て上吊りの三方枠仕様のため、気密性は高いとは言えません。
また木製のドアに比べ断熱性もなく、見た目の無機質なデザインも相まって、冬にはひんやりした印象に。
気密性が低いと、室内の温かい空気が逃げてしまったり、反対に冷たい外気が侵入してくる原因になります。
特に玄関ホールとLDKの間のドアとして採用する場合は、寒さを感じやすいということも踏まえ検討しましょう。
クアドロスリムに似たデザインのドア7選
クアドロスリムの注意点が気になるという場合は、デザインが似ている他メーカーのドアを採用するのも手段のひとつです。
建築会社によっては、クアドロスリムを販売しているサンワカンパニーとの取引がなく、そもそも採用できないこともありますよね。
実は、サンワカンパニーを取り扱っていないという建築会社は意外にも多いです。
そんなときは、これから紹介する”クアドロスリムっぽい”おしゃれなドアをぜひ検討してみてください!
YKKAP ファミットG ガラスタイプ
YKKAPのファミットG ガラスタイプは、見付けの細いフレームと、大判のガラスのデザインがおしゃれ。
クアドロスリムと同じく上吊りの取付で、すっきりとしたモダンな雰囲気が人気です。
ファミットG ガラスタイプは、高さの最大寸法が2700mmまで対応しているため、高天井でも問題なし。
さらに強化ガラスを使用しており、アウトセットにも対応しているため、クアドロスリムの代替案としておすすめです。
ガラスは透明・マット・ブラック・ミラーチェーン・ファブリック・ストリングから選択でき、空間デザインに合わせて選べますよ。
みやび モルディ
みやびのモルディは、空間の間仕切りや収納の扉として採用するのがおすすめ。
ガラスタイプやパネルタイプなど様々なデザインがありますが、マットブラックのフレームに全採光のデザインがクアドロスリムに似ています。
扉一枚あたりの横幅の最大寸法は900mm、高さは2700mmまでで1mm単位でのサイズオーダーに対応しており、大開口での取付も可能。
ガラスではなく樹脂パネルですが、クリアマット・フロスト・乳白マットなど幅広く選択できますよ。
三協アルミ アミス
三協アルミのアミスは、デザインのラインナップの豊富さが魅力。
ドアの種類は片引き戸、上吊り片引き戸、アウトセット、引き違いなど様々。
また樹脂パネルとガラスどちらもあるので、好みや予算に合わせて選べるのが推しポイント!
樹脂パネルならミスト・クリアマット・ホワイト・グレー・クリア・しずく・ながれ、ガラスならクリア、フロストから選べます。
アミスのガラスは強化ガラスなので、小さいお子さんがいても安心です。
神谷コーポレーション マルコ
神谷コーポレーションの室内ドアは、ドア枠のないすっきりとしたデザインが特徴。
上吊り方式で下レールもないので、見た目のおしゃれさがクアドロスリムと似ていて、ホテルライクな空間づくりにおすすめです。
マルコは引き違い戸、引き込み戸、引き分け戸の三種類のラインナップで、全てフレームとガラスのみのデザイン。
ガラスはクリア・くもり・グレーの三種類から選択でき、フレームはブラック以外にも、グレーなどのトレンドカラーも選べるのがおすすめポイントです。
神谷コーポレーション キューブ CG-9型
神谷コーポレーションのキューブは、マルコと同じくドア枠のないシームレスなデザインがおしゃれで人気。
ガラスタイプやパネルタイプなど様々なデザインがありますが、大型ガラスと細框を組み合わせたCG-9型が、クアドロスリムに似ています。
これまで最大高さ2,400mmでしたが、2,500mmまで対応可能になりました!
キューブなら家全体の室内ドアを同シリーズで統一できるので、統一感のあるインテリアコーディネートができますよ。
LIXIL ラシッサS アルミタイプ
LIXILのラシッサSは、引戸専用のデザインとしてアルミタイプがあります。
ガラスではなくアクリル系パネルですが、細いアルミフレームと全採光のデザインがクアドロスリムによく似ていておすすめ。
そのなかでもLZA型は全採光、LZB型は写真のように横桟入りのデザイン。
ただドア枠が目立つこと、天井付けのハイドアではないため、すっきり感は少し劣ります。
アクリル系パネルは割れにくく耐久性に優れているので、小さいお子さんのいる家庭でも安心です。
大建工業 ハピア ラインフレーム
大建工業のハピアシリーズにも、クアドロスリムのような全採光のデザイン「ラインフレーム」があります。
アイアン調のブラックのフレームは、ホテルライクやインダストリアルな空間にぴったり。
ガラスはクリアのみですが、強化ガラスに飛散防止フィルムを貼っているので、衝撃に強いのが推しポイント。
ドアの種類は引き違いのみなので、インナーテラスや収納庫への取付がおすすめです。
こちらもドア枠が目立つこと、天井付けではない点がクアドロスリムとは異なります。
大栄建材 クレーヴァ
大栄建材のクレーヴァは、アルミフレームと樹脂パネルを組み合わせたデザイン。
アルミフレームの見付けは25mmと35mmを選択でき、樹脂パネルのカラーが全8色と豊富なのが推しポイント。
素材はアクリル系またはポリスチレンで、透過率やカラーによって異なります。
写真左のようなグレースモークなら、クアドロスリムのような高級感のあるモダンな空間に。
価格も手頃なので、費用を抑えつつおしゃれさも叶えたい人におすすめです。
辻産業 ライキ
辻産業のライキは、スライドドアや間仕切り戸などのラインナップ。
FIXとの組み合わせも可能で、間取りに合わせたデザインが叶えられます。
極限まで細くしたフレームやモダンなガラスなど、デザイン性はクアドロスリムに負けていません。
ガラスカラーはグレー・クリア・ダークブロンズ・チャコールグレーの全4色で、お部屋の雰囲気に合わせて選択できます。
ただ既製品ではないため、他メーカーに比べて値段が張るので必ず見積もりを取ってくださいね。
クアドロスリムの特徴を知って後悔を防ごう
クアドロスリムはデザイン性に優れる一方で、間取りや家族構成によっては注意すべき特徴もあります。
クアドロスリムを採用して後悔しないためには、デメリットになり得る特徴もしっかりと理解したうえで、検討することが大切です。
クアドロスリムに似たデザインのおしゃれドアもたくさんあるので、自分たちの家づくりに合ったものを探しましょう。
見た目のデザインだけでなく、機能性や予算も考慮して選ぶといいですよ。