家づくりにおいて、室内ドアは部屋の雰囲気を決めるインテリアの一部として、こだわりたいところですよね。 特にLDKのドアは目に付きやすい場所のため、デザイン性も重視する人が多いです。 しかし、デザインにこだわる人は多いですが、ドアの種類まで気にかけている人は少ないです。 室内ドアは種類によって様々な違いがあり、実は防音や断熱にも関わる重要なポイント。 そのため、なんとなくで選んでしまうと後悔することになるかもしれません! そこで今回は、室内ドアを選ぶ際に知っておいてほしい、ドアの種類ごとの特徴をご紹介。 注文住宅におすすめのおしゃれな室内ドアもご紹介しますので、ぜひチェックしてください!

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室内ドアの種類と特徴


室内ドアは主に開き戸・片引き戸・引き込み戸・引き違い戸・折戸があります。 ドアの開き方や取り付けられる位置、デザインの豊富さ、価格などに違いがあり、特徴もそれぞれ。 ドアの違いによる特徴を知っておくと間取り決めの際に役立つので、しっかり覚えておきましょう。
開き戸
開き戸には片開きと両開きがあり、片開きは左右のうちどちらか片方に開き、両開きは内から外に向かって観音開きします。
開き戸は断熱性・防音性に最も優れているのが特徴。
デザインのバリエーションも豊富なので、インテリアに合わせた素材・カラー・デザインを選べます。
片開きはLDKや寝室などに多く使用されますが、扉が開くためのスペースが必要なため、狭い場所には不向きという一面も。
扉を開くとデッドスペースが生まれるため、スイッチやコンセントなどの取り付け位置には注意が必要です。
両開きは収納に用いられることが多いです。
片引き戸
片引き戸は扉を横にスライドさせることで開閉し、ドアを開けっぱなしにできるのが最大の特徴です。
開けたままにできるためバリアフリーにも適しており、掃除や換気の際にも役立つでしょう。
開き戸のようにデッドスペースが生まれないため、洗面所・脱衣所などの狭いスペースにもおすすめ。
ただ扉を引くスペースが必要なため、家具などの配置には気を付けなければなりません。
構造柱や筋交いのある場所への取り付けもできないため、間取りによっては制限されることも。
開き戸に比べると断熱性・防音性は下がりますが、種類は豊富なのでデザインにこだわって選べます。
アウトセット引き戸
アウトセット引き戸は、壁の外側にスライドさせて開閉するドアです。
柱や筋交いがあり引き戸が取り付けられない場合は、アウトセットにすれば取り付けられるようになります。
アウトセットは正面から見ると枠がなく、すっきりとして見えるのが特徴。
ただ壁の外側にスライドさせるだけのスペースが必要なため、ドアに干渉しないように家具などの配置には気を付けましょう。
断熱性・防音性は開き戸や片引き戸よりも下がりますが、デザインの種類の豊富さは変わりません。
引き込み戸
引き込み戸は別名「ポケットドア」ともいい、壁の中に収納するようにドアをスライドさせます。
取っ手は埋込になっており、扉を閉める際は取っ手を引っ張るようにするのが一般的。
壁の内側に引き込むため、裏・表どちら側もスペースを有効活用できるのが魅力です。
ただメーカーによっては引き込み戸がない場合もあり、デザインも開き戸や引き戸に比べると多くありません。
また片引き戸と同じように、柱や筋交いが必要な場所はNGなため、間取りによっては取り付けられないこともあります。
引き違い戸
引き違い戸は、左右両方の扉をスライドさせることができ、好みの方向に開閉できるのが特徴。
三枚引き違いや四枚引き違いなどもありますが、扉をどの方向にスライドさせられるのかはメーカーによって異なります。
ドアの開閉によりデッドスペースがないため、狭い場所の収納などに取り付けるのがおすすめ。
扉を開けっぱなしにもできるため、掃除しやすいのも嬉しいポイントです。
折戸
折戸はドアを折りたたむようにして開閉させるのが特徴で、クローゼットに取り付けられるのが一般的。
ドアを開くためのスペースが必要なため、家具の配置には注意が必要です。
デザインの種類は多くはありませんが、最近では取っ手レスのデザインもあり、すっきりとおしゃれな見た目が魅力。
サイズ展開は豊富なので、収納のサイズに合ったものを選べますよ。


【部屋別】おすすめの室内ドア


室内ドアにも、適材適所があります。
もちろん「絶対にこうするべき」という正解はありませんが、種類ごとの特徴を踏まえたうえで選択すると、暮らしやすさをアップさせてくれますよ。
LDK
LDKは家族が最も多くの時間を過ごす場所なので、デザイン性と快適さどちらも欲しいですよね。
そのため、LDKのドアは断熱性・防音性に優れる開き戸がおすすめ。
特に外気の影響を受けやすい玄関に近いドアは、開き戸にするといいですよ。
デザイン性にもこだわりたいたいなら、ガラス付のデザインにするとおしゃれ度がアップ。
玄関から部屋の中を見られたくない場合は、視界の通らないかすみガラスなどを採用するといいでしょう。
大型収納
最近は生活感のあるものをなるべく隠すのがトレンドであり、キッチン周りやリビング周りに大型収納を作る人も多いです。
大型収納のドアは折戸もいいですが、せっかくならデザインにもこだわって引き違い戸にするのがおすすめ。
かすみガラスやブラックガラスのデザインにすれば、高級感のあるモダンな空間の出来上がり。
なるべく枠の目立たないすっきりとしたデザインにすると、上品さが増しますよ。
寝室・子供部屋
寝室や子供部屋などのプライベート空間は、快適に過ごせるよう開き戸がおすすめ。
特に吹抜があり音が響きやすい間取りなら、防音性は大切です。
統一感のあるインテリアには色を使いすぎないのが鉄則ですが、あえてカラードアで個性を出すのも楽しみのひとつ。
カラーバリエーションが豊富なメーカーもあるので、夫婦やお子さんのそれぞれ好きな色をチョイスするのもいいですね。
トイレ
トイレはドアの取り付け位置によって開き戸・引き戸どちらがいいのか変わります。
間取りにもよりますが、トイレはどうしても暑さや寒さを感じやすいため、出来れば開き戸がおすすめ。
用を足すときの音が気になるという場合にも、開き戸は防音性に優れているため安心です。
階段下にトイレがある場合は、天井の高さにも注意してくださいね。


室内ドアはここまでこだわれる


室内ドアのデザインは年々多様化しており、取っ手やガラスの種類など細かいところまで選べるようになりました。
せっかく注文住宅で建てるなら、細部までこだわって家づくりの満足度を高めたいですよね。
指定がないとメーカー推奨のデザインになったりするので、どこまで選べるのか知っておくと、失敗を防ぐことができますよ。
ドア・ドア枠のカラー
ドアやドア枠のカラーはインテリアの雰囲気を左右する、重要なポイントです。
カタログで見るよりも、カラーサンプルを取り寄せたり、ショールームで実物を見るなどして決めましょう。
木目などの柄が入っている場合は、木目の方向も要チェック。
メーカーによっては、オーダーカラーでペイントが可能なところもありますよ。
ガラス・樹脂パネルのデザイン
ガラス入り・樹脂パネル入りなら、ガラスや樹脂パネルのデザインも選べます。
メーカーによってデザインは異なりますが、一般的な透明ガラスから、かすみガラス・アンティークガラス・ブラックガラス・チェッカーガラスなどカラーも模様も様々。
ガラス面が広い場合は、ぶつかって割れたりしないよう、強化ガラスかどうかも要チェック。
ガラスや樹脂パネルのデザインによって部屋の雰囲気は変わるので、インテリアに合わせて選びましょう。
取っ手のデザイン
メーカーによってバリエーションは異なりますが、取っ手のデザインやカラーも選択できます。
一般的なシルバーやブラック、真鍮風ゴールド、マット加工などデザインは様々。
特にウッドワンやLIXILはたくさんの種類から選べるので、インテリアに合わせて決めることができますよ。
見た目をすっきりさせたいなら、取っ手レスもおすすめです。
取っ手に合わせて、丁番などの金物のカラーも忘れずに合わせましょう。
レールの有無
メーカーにもよりますが、レールの有無も好みに合わせて選択できます。
レールにはゴミや埃が溜まりやすいため、上吊りにするのがおすすめ。
上吊りなら掃除もしやすく、ロボット掃除機もスムーズに通ってくれますよ。
ただ上吊りのデザインは下方に隙間が出来るため、気密性は下がるといった一面も。
メリットとデメリットを考慮しながら、自分たちの理想に合ったデザインを選びましょう。
機能性
ドアは日常的に使う場所なので、機能性にもこだわりたいところ。
小さいお子さんやペットのいる家庭では、指挟みなどの事故を防ぐ機能も要チェック。
ドアをゆっくりと開閉させるソフトクローズ、ドアを開けっぱなしに出来るドアストッパー、錠の有無などが一般的です。
もともと機能が備わっている場合もあれば、追加費用がかかる場合もあるため、必ず見積もりをとってくださいね。


おしゃれな室内ドアメーカー10選


室内ドアはメーカーによってデザインが異なり、テイストやサイズなども様々。
注文住宅の家づくりではドアも大事なインテリアの一部なので、空間に合ったデザインを選びましょう。
ここでは、注文住宅におすすめのおしゃれな室内ドアを厳選してご紹介します!
サンワカンパニー クアドロスリム


サンワカンパニーのクアドロスリムは、スタイリッシュなデザインがSNSでも大人気。
シンプルモダンやホテルライクな空間と相性抜群で、特にブラックフレームのデザインがおすすめです。
ガラスの種類もブラックガラス・ブロンズガラスを選択可能。
ただアウトセットはメーカーが推奨していないので、採用するなら開き戸か引き戸がいいでしょう。
三協アルミ AMiS(アミス)


三協アルミのアミスは、シンプルかつクールな印象のデザインがおしゃれで人気。
横桟の本数を選べたり、引き戸や引き違い戸などラインナップの豊富さも魅力のひとつです。
アミスには室内窓もあるので、組み合わせて取り入れればおしゃれ度アップ間違いなし。
モダンな空間はもちろん、ヴィンテージやリゾートライクな空間とも相性がいいですよ。
神谷コーポレーション フルハイドア


フルハイドアといえば神谷というほど、洗練されたデザインが魅力的。
ドア枠のない「ステルス枠」は、無駄をなくしすっきりとした印象で、家の格式をグッと上げてくれます。
引き戸はすっきりさを追求した、取っ手レスのデザインも選択可能。
カラーバリエーションも豊富なので、ナチュラルモダンからシンプルモダンまで様々なテイストに合わせられます。
YKKAP ファミット


YKKAPのファミットは、流行りのカラーを取り入れたデザイン性の高さが魅力。
天然木をうすく貼った突板タイプをはじめ、グレージュなどのニュアンスカラー、ブラックフレーム×ガラスといったかっこいいデザインまで多種多様です。
ファミットはアウトセットも取り付け可能なので、クアドロスリムのイメージでアウトセットにしたいという人にもおすすめ。
玄関ドアや窓なども手掛けるメーカーだからこその、耐久性の高さも推しポイントです。
パナソニック レーベル


パナソニックのレーベルは、豊富なデザインと細部まで選べるオリジナリティの高さが魅力。
ガラスや取っ手の種類も多く、セルフペイントができる「塗れるドア」もラインナップ。
組み合わせ次第で、どんな空間にも馴染むデザインを叶えられます。
ブルックリンやアメリカンヴィンテージなどの洋風テイストはもちろんのこと、美容院やベーカリーといった店舗内のデザインにもおすすめです。
LIXIL ラシッサ


LIXILのラシッサは、テイスト別に選べるデザインとカラーの豊富さが魅力。
カフェ風や北欧風によく合う可愛らしいデザインから、モダンな空間と相性のいいすっきりとしたデザインまで、豊富なランナップ。
ナチュラルな雰囲気の木調、ブルーやピンクといったポップなカラー、ローズグレイ系のニュアンスカラーなど全28色のカラーバリエーションから選べます。
ハンドルは全10タイプ、丁番は全6色で、メーカー品ながらオリジナリティのあるデザインを叶えられます。
サンワカンパニー ノッポ


サンワカンパニーのノッポは、枠の目立たない幅11mmのスリム枠が新登場。
くすみカラーをはじめ、どんな空間にも馴染みやすい木調カラー、シンプルで使いやすいホワイトなど全7色から選べます。
凹凸感のある、ムラのあるモルタライクなデザインがおしゃれなラフグレーは、モルタル好きにはたまらない雰囲気。
サンワカンパニーは1mmずつサイズオーダーできる収納システム「ピッタラ」もおすすめで、同色を選べば統一感のある空間コーディネートも可能です。
ナガイ イノア


ナガイのイノアは、天然木ならではの重厚感と風合いが唯一無二のデザイン。
自然素材をたっぷりと取り入れた、洋風、北欧風、ジャパンディなどの空間と相性抜群です。
無垢は呼吸するため、木の伸縮も考慮した框デザインはイノアならでは。
経年変化も楽しめる、まさに”長く住む”家にぴったりな木製ドアです。
本来の色ムラを楽しむもよし、ペイントして自分好みのカラーにするのもいいですね。
プレイリーホームズ


プレイリーホームズの木製ドアは、本物の木を使用した自然素材で作ったデザイン。
樹種も好み合わせて選べるので、素材にこだわった家づくりがしたいという人にぴったりです。
遊び心のあるポップなカラーが印象的なユーロデザインは、大胆なカラーリングで個性を出すのがおすすめ。
豊富なカラーバリエーションから選べるため、家具と合わせてコーディネートするのもいいですね。


機能性・デザイン性を考慮してドアを選ぼう


室内ドアはデザインだけでなく、それぞれの特徴を知ったうえで、過ごしやすさも考慮することが大切。
ついつい部屋の形状や配置にばかり目が行きがちですが、ドアの種類も含めた理想の間取りを考えていきましょう。
また、素材やデザインによって雰囲気が異なるので、家のテイストに合ったものを選びましょう。
もし”このドアを使いたい”というのがあれば、事前に見積もりをお願いして、予算に組み込んでおくのがおすすめ。
あとから予算オーバーや間取りの後悔をしないためにも、ぜひドアの種類にもこだわって家づくりを進めていってください!

