この階段なんて名前?階段デザインの種類・名称・それぞれの特徴を徹底解説!

おしゃれな家の施工事例などを見て、この階段ってなんて呼ぶんだろうと思ったことはありませんか?

SNSで調べようと思っても、階段のデザインの名前が分からない…なんて経験をした人は多いはず。

一言で「階段」といっても、様々なデザインがあり、建築業界ではそれぞれに呼び名があります。

スケルトン階段、ひな壇階段など、形状やデザインによって呼び方が変わります!

最近では家の性能や間取りだけでなく、デザイン性も重視する家づくりが人気。

そのため階段もインテリアの一部として、デザインにこだわりたいという人も多いでしょう。

しかし、いざ「どんな階段にしよう?」と考えても、どんなデザインが自分たちの理想に合っているのか分からないですよね。

SNSで調べようと思っても、階段のデザインの名前が分からないと思うように情報収集も出来ません。

そこで今回は、階段デザインの種類・名称とそれぞれの特徴を詳しく解説し、理想の階段探しのお手伝いをします!

大手ハウスメーカーに4年 / 年間1,000棟を手掛けるビルダーに8年 / インテリアコーディネーター

注文住宅業界に12年間勤めていた知識と経験を活かし、家づくりのノウハウを発信しています✨

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目次

階段デザインの種類と特徴

階段は意外にも目に付きやすく、特にリビング階段の場合は来客時に目に入るため、デザインにもこだわりたいポイントのひとつです。

階段のデザインによって部屋の雰囲気は大きく変わりますし、階段の形状や素材によって費用も様々。

注文住宅なら細かい部分までこだわることができるため、おしゃれな家づくりを叶えたいなら、ぜひ階段についてもじっくりと考えましょう。

ボックス階段(箱型階段)

出典:https://www.clasishome.jp/works/feel_sun_wood/

最も一般的なのが、階段の左右に壁があるボックス階段です。

ボックス階段は踏板(ふみいた・足で踏む面のこと)・蹴込み(けこみ・踏板に垂直に立つ面のこと)・側板(がわいた・階段と壁の間の板のこと)からなり、写真のように側板をなくしすっきりと見せる、クロス納めと呼ばれるデザインも可能です。

ボックス階段は壁に手すりを固定するため、安定感があり上り下りしやすいのが最大の特徴。

階段下のスペースを収納などに有効活用できるのもボックス階段のメリットです。

踏板と蹴込みの色を変える、側板をなくす、手すりの位置や色を変えるなどして、デザイン性を高めることも出来ます。

ひな壇階段

http://www.takanohome.co.jp/voice/co_kanko_voice/article/700df3cb935888a88e268569-210.html

ひな壇階段は、ひな人形を飾る段のように、段々になったデザインの階段のこと。

ボックス階段よりも解放感があること、蹴込みがあるため上り下りもしやすいのが特徴です。

踏板の下のみに壁があり、落下防止のために手すりが必要なため、ボックス階段よりも費用はやや高め。

ボックス階段と同様に、ひな壇階段も階段下のスペースを有効活用できるため、コンパクトな間取りに取り入れるのがおすすめ。

手すりのデザインで印象が変わるので、部屋のテイストに合わせてデザインしましょう。

スケルトン階段

出典:https://www.hng.ne.jp/photo_detail14-71-04.html

スケルトン階段は、スタイリッシュでおしゃれな雰囲気が人気です。

スケルトン階段は鉄骨で作ることが多いことから、鉄骨階段と呼ばれることも。

壁や蹴込みがなく階段全体を見渡せるため、部屋全体が広く見えるといった効果も。

階段下のスペースは収納としては不向きですが、インテリア雑貨を飾ったり、ワークスペースにするなど間取りの工夫次第で様々な使い方が出来ます。

ただ小さいお子さんや小型のペットは転落の危険があるため、注意が必要です。

また、ボックス階段やひな壇階段に比べると費用が高いため、プランニングの段階で予算を取っておくといいですよ。

イナズマ型

出典:https://msk-k.cc/gallery/54166.html

スケルトン階段の中でも、イナズマのようにデザインされたものをイナズマ型・イナズマ階段とも呼びます。

スケルトン階段のなかでは最もメジャーなデザインで、どんなテイストの家にも馴染みやすいのが特徴。

スケルトン階段はデザインや素材によって価格の幅が大きいため、デザインへのこだわりがあれば、あらかじめ伝えておくと予算オーバーを防げますよ。

ストレート型

出典:https://www.clasishome.jp/works/light_shines_through_the_atrium/

踏板を支える部分がストレートの形状のものを、ストレート型と言います。

イナズマ型よりもさらにすっきりとしたデザインで、無駄を省いた洗練された雰囲気が魅力。

写真のように踏板が少し見えるデザインもいいですし、横からは踏板が隠れるようにデザインするのもいいですね。

オープン型

出典:https://lobesquare.com/workspost/%E5%BA%8A%E3%83%95%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%81%A8%E4%B8%80%E4%BD%93%E6%84%9F%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E9%9A%8E%E6%AE%B5/

支柱が踏板の下にあり、踏板がオープンになったデザインをオープン型と呼びます。

支柱は二本でも、真ん中に一本でも自分好みにデザインが可能です。

踏板が見えることで木目の存在感が増し、和のテイストにも馴染みやすい雰囲気に。

支柱を鉄骨ではなく、木で作った木製のオープン階段もおしゃれでおすすめですよ。

片持ち(はね出し)

出典:https://lobesquare.com/workspost/construction-case-15/

踏板を片側だけで支えるデザインを、片持ち・はねだしと呼びます。

洗練されたスタイリッシュさが魅力で、アートのようなデザインはインテリア性も高く、高級感も抜群。

しっかりと固定するために技術が必要なこと、他のデザインに比べると費用が高くなるといった面もありますが、デザイン性の高さは唯一無二。

見た目のおしゃれさだけでなく、上り下りが不自由なく出来るかどうかも意識しながら、デザインを決めていきましょう。

オリガミ型

出典:https://www.mokkotsu.com/shop/m-stylehouse/house/20200602161750/27562

周りに壁がなく、踏板と蹴込みが一体になったようなデザインをオリガミ型と言います。

おしゃれさのなかにも、柔らかさも併せ持ったデザイン性の高さが魅力。

蹴込みがあることで上りにくさも和らぎ、隙間から落下する心配もないので、写真のようにインテリア雑貨を飾って楽しむことも出来ます。

螺旋階段

出典:https://www.mokkotsu.com/shop/m-stylehouse/house/20200602161750/27562

階段が螺旋状になったデザインが特徴の螺旋階段は、輸入住宅などでよく使われます。

しなやかで上品な雰囲気は、おしゃれさとエレガンスさの演出にぴったり。

ただ費用が高くなりがちなこと、物の運搬がしにくいといったデメリットもあるので、暮らしやすさも考慮したうえで計画しましょう。

組み合わせ

出典:https://www.takumikobo.ne.jp/works/080/_s_71.html

異なるデザインの階段を組み合わせることで、デザイン性と利便性をアップさせる方法もおすすめ。

写真はスケルトン階段とひな壇階段の組み合わせですが、スケルトン階段で解放感を出しつつ、ひな壇部分では階段下収納を作りスペースを有効活用しています。

玄関に明るさを取り込むための大きな窓も、スケルトン階段だからこそ出来たデザインですね。

階段のデザインはここまでこだわれます

階段のデザインは様々ですが、注文住宅での家づくりであれば、細かい部分までこだわってオーダーすることが可能です。

打ち合わせを進めていくと「こんなところまで決めるの!?」と驚かれたこともしばしば。

指定しなければ建築会社にとっての標準デザインになってしまうので、忘れずにチェックしておきましょう。

踏板の奥行き・幅

踏板の奥行きのことを踏面(ふみづら)と言い、どれくらいの寸法にするかも重要です。

幅は一般的には一マス分ですが、広々としたゆとりが欲しければ幅を広げるのもOK。

踏面は150㎜以上と法規上で決められていますが、狭ければ狭いほど階段が急になるので、200㎜以上あると安心です。

ただ一マスに何段を設けるのかで踏面の寸法が変わりますし、階段に必要な面積も変わります。

展示場などで実際に上り下りしてみて、違和感なく使用できる寸法にしましょう。

踏板・蹴込み・側板のデザイン

階段は踏板・蹴込み・側板それぞれデザインを決めることができます。

全て同一素材で作ることが多いですが、すっきりしたデザインにしたいなら、側板をなくしたクロス納めがおすすめ。

解放感が欲しいなら蹴込みをホワイトにする、反対に空間を引き締めたいならブラックにするなど、踏板と蹴込みの色合いを変えるのもいいですね。

色のデザインによって雰囲気が変わるので、全体のコーディネートに合わせて計画しましょう。

手摺のデザイン

ボックス階段であれば木製の手すり、ひな壇階段やスケルトン階段であれば鉄骨手すりを付けるのが一般的。

ボックス階段の場合、左右どちらに手すりを付けるのか、取り付ける高さ、手すりの色、壁に取り付けるブラケットの色なども指定することが出来ます。

バリアフリーを意識して両側に付ける人もいれば、お子さん用に少し低い位置に付ける人もおり、使いやすいデザインは人それぞれなので、自分たちに合ったデザインを考えましょう。

階段をデザインする際の注意点

階段は日常的に使用する場所だからこそ、様々な点に注意してデザインしなければなりません。

後から後悔することのないよう、プランニングの段階から注意して計画を進めていきましょう。

必ず見積もりを取る

階段はデザインや素材によって費用が大きく変わります。

特にスケルトン階段はデザインの幅が広く、階段だけで200万円以上かかることも。

よくあるのが、契約前の予算取りが甘く、予算オーバーになり諦めるパターン。

ガラス、石、鉄骨など異素材を組み合わせたようなデザインは、想像以上に高いですよ。

”こんな階段にしたい”というイメージがあれば、必ず見積もりをとってもらい、どれくらいの予算が必要なのか確認したうえで資金計画に含んでおきましょう。

安全面を考慮する

生活感のないすっきりとしたデザインが人気ですが、見た目だけでなく安全面も考慮しなければなりません。

ひな壇階段やスケルトン階段は手すりも重要で、使いやすくお子さんも安全なデザインにしましょう。

ベビーゲートやペットゲートを取り付ける場合は、ゲートを固定するためのスペースがあるかどうかも大切です。

家は何十年と住むものなので、将来も見据えてデザインするといいですよ。

暮らしやすさを考慮する

安全面だけでなく、暮らしやすさも忘れてはいけません。

例えばスケルトン階段は解放感が魅力ですが、そのぶん暖かい空気や匂いが二階へ上がりやすいといった面も。

螺旋階段なら家具の運搬が大変ですし、駆け上がるように登れば振動を感じます。

そういったデメリットも理解したうえで、暮らしやすさを欠いていないかを確認しましょう。

【テイスト別】おすすめの階段デザイン

デザイン性にもこだわった階段は、インテリアの一部として家全体の雰囲気づくりにも影響します。

家のテイストによってどんな階段デザインと相性がいいのかも変わるので、デザインに迷っている場合は参考にしてみてください。

ホテルライク

出典:https://iecomi.jp/life/2022/002423.html

生活感のない、ホテルライクな暮らしにはスケルトン階段が相性抜群。

特に鉄骨階段×吹抜の組み合わせは人気で、解放感のある大空間を叶えられます。

モノトーンカラーを中心にすると重厚感が増すので、鉄骨で作ったスケルトン階段がおすすめ。

手すりも主張しすぎない、シンプルなデザインにするといいですよ。

インダストリアル

出典:https://www.mokkotsu.com/special/20210401_industrial

インダストリアルな空間づくりには、ストレート型やオープン型のスケルトン階段がおすすめ。

ブラック、ダークグレー、ネイビーといった男らしい印象のカラーに、チェリーやアカシアなど存在感のある木目が相性抜群です。

無機質感を演出したい場合には、片持ちのデザインですっきりと見せるのもいいですよ。

ナチュラルモダン

出典:https://www.clasishome.jp/works/grayandoak/

ナチュラルモダンテイストには、可愛らしさもあるひな壇階段がおすすめ。

階段下にヌックを設ければ、ちょっとしたくつろぎのスペースに。

鉄骨手すりの笠木部分を木にすることで、より柔らかい雰囲気を演出していますね。

もっと洗練された空間が好みなら、スケルトン階段も相性がいいですよ。

北欧風・洋風

出典:https://sumikouhome.co.jp/column/scandinavian-house-stairs/

洋風や北欧風の家づくりには、ひな壇階段やボックス階段がおすすめ。

特に北欧デザインは、自然素材やファブリックで空間をコーディネートするため、階段はシンプルでいいでしょう。

ひな壇階段の場合の手すりは、洋風なら縦格子のデザイン、北欧風なら木を組み合わせたデザインがよく合います。

理想の階段のデザインを見つけよう

家づくりはこだわりたいポイントが多く、階段もまたそのひとつ。

デザインによって家の雰囲気が大きく変わりますし、毎日使う場所だからこそ、細部までこだわって計画することが大切です。

階段の種類やデザインによって、間取りのどこに階段を配置するかも変わるため、なるべく早い段階で決めると打ち合わせがスムーズに進みますよ。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分たちの理想の暮らしや予算とのバランスを考えながら、後悔のない家づくりを叶えましょう。

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