間取りを決めるうえで迷いがちなのが、トイレの窓をどうするかという問題。
「窓があった方がいい」という意見もあれば、「窓なしでいい」という意見もあり、どうすべきか悩んでしまいますよね。
トイレの窓を付けるか付けないかは人それぞれですが、大切なのはメリット・デメリットを理解したうえで決めること。
ぜひ知っておいてほしい様々なメリット・デメリットがあるので、しっかりと覚えておきましょう!
メリットが大きいと感じれば付ければよし、デメリットが大きいと感じればやめればよし。
「こうした方がいいとアドバイスされたから」ではなく、自分たちのライフスタイルや理想の暮らしに合った間取りを選びましょう。

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トイレの窓は必要なの?


一昔前まではトイレには窓があるのが一般的でしたが、最近では窓のないトイレも多くなってきました。
結論からいうと、トイレの窓は必須ではないため、窓を設けるかどうかは個人の好みによります。
注文住宅の家づくりは、個々のライフスタイルや好みに合った間取りを叶えられるのが魅力なので、自分たちの暮らしやすさを最優先して決めましょう。
必要かどうかは人それぞれ
トイレの窓が必要かどうかは、家族構成やライフスタイルによって異なります。
家づくりにおいて、何を重視するかは人それぞれ。
デザイン性なのか、メンテナンス性なのか、断熱性なのか、予算なのか・・・
メリット・デメリットを比較したうえで、暮らしやすさをイメージしながらめるといいですよ。
目的を持って取り付ける
窓ありにする場合は、目的を持って取り付けることが大切です。
目的に沿って、窓の大きさや種類、取り付ける高さなどの詳細を決めていきましょう。
プランニングの段階では、特に指定がなければとりあえずで窓を付けておくことが多いです。
工事が進んでからでは変更できないため、間取り確定までに決めておくと後悔のない家づくりができますよ。
換気だけのためなら不要
「換気のために窓を付けたい」という場合は、目的が換気だけなら窓は不要です。
というのも、換気システムは年々向上しており、トイレ内の換気システムで十分な換気が可能なため。
現在の家づくりでは24時間換気の設置が義務付けられているのに加え、局所換気も取り付けるのが一般的。
わざわざ窓を開ける必要がないため、換気のために窓を付けても結局使わない、といったケースが多いです。
トイレの「窓あり」のメリット・デメリット


トイレに窓を付けることで、様々なメリットやデメリットがあります。
- トイレ内が明るくなる
- 窓の開閉で温度調整ができる
- ちょっとした小物を置ける
- 掃除の手間になる
- 間取りによっては視線が気になる
窓は住み始めてから変えることができないので、メリットとデメリットどちらも考慮して、慎重に決めていきましょう。
トイレ内が明るくなる
トイレに窓を付けることで外部の光が入り、トイレ内が明るくなります。
窓がないと、昼間でも扉を閉めると暗くなりがち。
窓があれば自然な明るさになるので、昼間なら電気を付けなくても暗さを感じることがありません。
小さいお子さんがいたり、家で過ごす時間が長い場合は、昼間の電気を使わなくなるだけでも節電効果につながります。
窓の開閉で温度調整ができる
トイレ内は夏は暑く、冬は寒くなりがち。
特に夏は熱がこもりやすいですが、開閉できる窓であれば、窓を開けて涼しい風を取り込めるようになります。
窓の開閉によって、トイレ内の温度調整ができるのは嬉しいですよね。
ただ、窓の方角によっては西日で暑くなることもあるので、注意が必要です。
ちょっとした小物を置ける
トイレはスペースが足りず収納に困りがちですが、窓枠をうまく利用すればちょっとした小物置きスペースに。
観葉植物や芳香剤を置いて、トイレ内のインテリアを楽しむのもいいですね。
窓の取り付ける高さによっては、小物を置くには不便なこともあるので、使い方も考えてプランニングするといいですよ。
掃除の手間になる
窓があることで、窓枠に埃が溜まる、ガラスが汚れるなど掃除の手間が増えてしまいます。
トイレはただでさえ汚れやすく、毎日の掃除が必要なところなので、手間が増えるのはマイナスポイント。
毎日の家事を少しでも楽にしたいと考えるなら、大きなデメリットとなります。
間取りによっては視線が気になる
トイレに窓を付ける場合、外から室内が見えないよう型板ガラスにするのが一般的。
とはいえ、窓に近付けば人がいるのは分かるので、トイレのある位置によっては視線が気になってしまうかもしれません。
人通りのある道路はもちろんのこと、お隣や裏の家とのバランスも考えて、間取りを決めるといいでしょう。


トイレの「窓なし」のメリット・デメリット


窓を付けることでメリット・デメリットがあれば、反対に窓がないことのメリット・デメリットもあります。
- 減額になる
- 断熱性が上がる
- 間取りの自由度が上がる
- トイレ内が暗くなる
- 閉塞感がある
最近では窓のないトイレは珍しいものではないので、メリットとデメリットを比較して、不要であれば窓なしにするのもいいでしょう。
減額になる
窓のないメリットのひとつは、窓がなくなるぶん減額になること。
注文住宅の家づくりでは、内装や設備の打合せが進むにつれ、追加費用がかかり予算オーバーに悩みがち。
窓をひとつなくせば数万円の減額になるため、なくてもいいならなくす、というのも選択肢の一つです。
窓の種類によっても金額が変わるため、開閉する予定のない窓であればFIX窓にすると、費用を抑えられます。
断熱性が上がる
窓がある場合とない場合では、窓なしの方が気密性が上がります。
気密性が上がるということは、断熱性も上がるということ。
特に冬のトイレは寒さを感じやすく、LDKと比べて室温が低くなりがちで、ヒートショックの原因に。
ヒートショックの予防には、断熱性を高めたり、暖房便座の利用などが効果的です。
間取りの自由度が上がる
窓なしであれば、トイレが外周に面する必要がなくなります。
そのためトイレの配置がしやすくなり、間取りの自由度が上がるといったメリットがあります。
特に平屋は、窓のない部分は暗くなりがちなため、プランニングが難しいといった一面も。
窓なしにすることで間取りの選択肢が増えるため、プランニングの段階で窓なしでOKと伝えておくといいですよ。
トイレ内が暗くなる
窓なしのデメリットは、外からの採光を取れないため、トイレ内が暗くなってしまうこと。
昼間でも電気が必要になるため、在宅時間や家族構成によっては電気代が気になるかもしれません。
トイレ内の照明はダウンライト・ペンダントライト・間接照明など色々ですが、暗くなりすぎないよう照明計画にも気を付けましょう。
閉塞感がある
窓がないことで、窮屈感や閉塞感を感じやすいといったデメリットも。
お籠り感のある空間が好きならいいですが、人によっては居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
特にトイレが階段下になる場合は、天井も低くなるため要注意。
床やクロスを明るい色合いにすると、閉塞感を和らげることが出来ますよ。


トイレあり派・なし派どっちが多い?


令和の家づくりは、不要なものはなるべくなくしたすっきりしたデザインと、家事の手間をなくすメンテナンスフリーなデザインが人気。
また、注文住宅の価格は年々上昇しており、おしゃれさにこだわりながらもコスパ良く家づくりしたい、という人が増えています。
窓がないと掃除の手間が減る・見た目がすっきりする・減額になる、という点が令和の家づくりとマッチしていることもあり、最近では窓なしにする人の方が多いです。
もちろんメリット・デメリットの感じ方は人それぞれですし、間取りのプランニングをするプランナーの好みもあるので、正解はありません。
理想の暮らしや予算とのバランスをみて、相談しながら決めていきましょう。


我が家がトイレに窓を付けた理由


ここまで窓あり・窓なしのメリットとデメリットをそれぞれ紹介しましたが、我が家の場合は窓あり一択でした。
というのも、我が家の場合は窓なしにすることのデメリットが大きかったからです。
あくまでも我が家の場合ですが、少しでも参考になると嬉しいです!
昼間は電気を付けてほしくない
我が家がトイレに窓をつけた一番の理由は、昼間に電気を付けてほしくなかったため。
窓をつけることで採光をとり、昼間は電気なしで使用できるようにしました。
というのも、主人は電気付けっぱなしの常習犯。
さらに在宅ワークで家にいる時間が長いため、朝から晩まで電気付けっぱなしなんてことも…
それにストレスが溜まるため、明るいうちは電気を付けるな!というルールにしました。
(人感センサーにするという選択肢もありますが、しばらく動かないと消えてしまうのが嫌なので、人感センサーはやめました)
子供の頃トイレが怖かった
これは私の体験談ですが、実家がマンションでトイレに窓が付いていませんでした。
子供の頃は閉塞感が怖くてトイレのドアを閉めれず、昼間でも親や兄弟に付き添ってもらっていました。
自分の子供が同じとは限らないですが、閉じ込められるような感覚が怖いという子は多いので、我が家では窓をつけることに。
ただし防犯面も考慮して、人の侵入できないサイズの横すべり窓を天井付けにして取り付けました。
トイレの窓はなくても大丈夫


最近ではSNSなどで、”減額テクニック”としてトイレの窓をなくす、という投稿をよく見かけます。
窓がなくなればもちろん減額になりますが、ただなくせばいいという問題でもありません。
トイレの窓はなくても問題ないですが、ないことで不便さを感じる可能性もあります。
メリットとデメリットを比較したうえで、自分たちのライフスタイルに合う選択をすることが大切です。
トイレだけでなく、浴室・脱衣室・シューズインクローゼットなどでも同じことが言えるため、窓に悩んだ際はぜひ参考にしてください!