施主支給はどんなものがおすすめ?メリット・デメリットと注意点

家の新築やリフォームを検討中の人のなかには、施主支給をうまく活用したいと考えている人もいるでしょう。

施主支給=費用を安く抑えられるというイメージがあり、注文住宅の家づくりにおいても施主支給を希望される人が多いです。

確かに施主支給には様々なメリットがあり、SNSなどでは施主支給がおすすめされていますよね。

しかしいいことばかりではなく、もちろんデメリットや注意点も。

ここでは、

・施主支給をするにはどうすればいい?
・施主支給で失敗しないためのコツを知りたい
・どんなものが施主支給に向いてるの?

といった、施主支給に関する不安や疑問にお答えします!

しっかり知識を付けて、家づくりに役立ててくださいね。

大手ハウスメーカーに4年 / 年間1,000棟を手掛けるビルダーに8年 / インテリアコーディネーター

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目次

施主支給とは

施主支給とは、家を建築するにあたり必要な資材や建材などを自分で用意し、施工のみをしてもらうこと。

本来は建築会社が発注して仕入れるものを、自分で仕入れを行います。

施主支給が人気になったのはここ数年で、インテリアショップやネットなどでメーカー品を簡単に購入できるようになったことで、希望する人が増えました。

さらに輸入品も手に入れやすくなり、海外のおしゃれなインテリアも楽しめるように。

DIY人気もあって、豊富なデザインのなかから選べられるのも魅力的ですよね。

しかし施主支給はどんなものでもOKなわけではなく、また施主支給自体ができないこともあります。

施主支給できるかどうかは建築会社次第

施主支給を行えるかどうかは、建築会社によって異なります。

割と寛容なところもあれば、施主支給は一切受け付けないというところも。

なぜそれぞれ対応が異なるかというと、施主支給はトラブルが多く、建築会社にとってはあまり嬉しいことではないため。

さらに施工や取り付けを大工さんにお願いすることになるため、大工さんの手間が増えるのを嫌がる建築会社が多いからです。

基本的には施主支給NGだけど、例えば住宅設備メーカーや住宅機器のメーカーに勤めているという場合には、施主にとってメリットが大きいため受け付けてくれることもあります。

水周りはNGが多い

施主支給はなんでもOKなわけではなく、支給できるものを制限している建築会社も多いです。

特に水周りの工事は、もしも施工不良が起こった際に被害が大きいため、NGが多いでしょう。

キッチン・洗面・トイレなどは、建築会社によっては取引のないメーカー品は選べないこともあります。

もし採用したいものが決まっているのであれば、建築会社が仕入れられるかどうか、だめなら施主支給はOKかどうか事前に確認しておくといいですよ。

年々条件が厳しくなっている

施主支給に関するルールは、年々厳しくなっています。

なぜかというと、やはりトラブルやクレームが多くなりがちなため。

施主支給の場合は、施工不良が起こった際にどこに責任があるのかが分かりづらいです。

実際、私が建築会社に勤めていた間でも、問題があるたびにルールがどんどん増えていきました。

同じ建築会社で建てた人が「施主支給しました」と言っていても、今はだめというケースは珍しくありません。

他人の言ったことを鵜呑みにせず、必ず担当者に確認してくださいね。

業者指定も建築会社次第

物の支給ではなく、業者を指定できるかどうかも建築会社によって対応が異なります。

・親族に司法書士がいるから登記をお願いしたい
・父が基礎工事の会社に勤めているのでそこにお願いしたい
・左官工事を知り合いに頼みたい

など、親族や友人で家づくりに関わる仕事に就いている人がいれば、出来ればやってほしいですよね。

既に取引のある会社であれば問題ないですが、取引のない場合は要相談。

必ず事前に確認し、OKであれば工事が始まるまでに段取りしておきましょう。

施主支給をするメリット

施主支給には様々なメリットがあり、上手に活用すれば、家づくりをもっと楽しませてくれます。

施主支給といえば”費用を抑えるため”というイメージですが、それ以外にもメリットが盛りだくさん。

当てはまるものがあれば、ぜひ施主支給を活用してみてください。

選択肢が広がる

建築会社にはそれぞれ取引している業者さんがあり、メーカーや商社に建材・資材・設備などを発注します。

商品によってはその業者さんが仕入れを行っておらず、”取り扱いがないから”という理由で採用できないことも。

そんなときに自分で商品を購入し施主支給できれば、選択肢が広がりますよね。

SNSで人気の照明や、傘立て・ペーパーホルダーなどのインテリアパーツは、建築会社では仕入れできないものが多々あります。

もし使いたいものが決まっているのであれば、施主支給できるかどうか確認しておくと安心です。

費用を抑えられる

商品によっては、建築会社に発注してもらうよりも、自分で購入した方が安く済ませられます。

例えば建築会社を経由すると、仕入れ値に自社の利益分を足した金額が、見積り額として提示されます。

しかし最近では、型落ち商品やアウトレット商品など、ネットで安く購入できるものが盛りだくさん。

年末や決算時にはセールもあるので、上手に活用すればコストダウンを叶えられます。

リユースができる

今の住まいで使っているものでまだ新しいものがあれば、わざわざ新品にするのはもったいないですよね。

賃貸ではあまり見かけませんが、建て替えの場合にはちょっとしたリフォームをたくさんしている人もいます。

給湯器を新しくしたばかり、トイレを入れ替えたばかり、洗面を新しくしたばかりなど。

そういった場合には、新築時にそのままリユースできないかどうか相談してみましょう。

内容は施主支給と同じですが、商品を購入しなくてもいいので、かなりのコストダウンが叶えられますよ。

施主支給をするデメリット

施主支給にはメリットだけでなく、様々なデメリットもあります。

一生に一度の家づくりで後悔しないように、デメリットも考慮して計画を進めていきましょう。

保証の対象外になる

施主支給した商品については、万が一トラブルがあっても保証の対象外となります。

取り付けるだけのインテリアパーツならいいですが、水周りや照明など、水道工事・電気工事も絡む部分は要注意。

施工不良が起こっても責任の所在が分からないため、施主が責任を負うことになります。

保証の対象外だと無償でのメンテナンスや点検は行ってもらえないため、追加で費用がかかる場合も。

また、住み始めてから壊れてしまった場合でも、建築会社ではなく購入先に対応してもらう必要があります。

自分で手配する手間がかかる

施主支給するには商品を自分で用意しなければならないため、手間と時間がかかってしまいます。

商品と取り付けのための部品がセットになっていればいいですが、専用部品を別で購入しなければならないこともあるので、足りないものがないように注意しましょう。

また、取り付け工事が行われるまで、保管もしておかなければなりません。

基本的に建築会社では保管までしてくれないですし、現場は破損や紛失のリスクがあるためもちろんNG。

ほとんどの人が自宅で保管すると思うので、保管スペースがあるかどうかも確認しておきましょう。

現物を確認できない

メーカーの商品ならショールームで確認できますし、インテリアショップなどでも実際に見て選べますよね。

しかしネットで購入する際には届くまで現物を確認できないため、イメージとの違いが起こってしまうリスクがあります。

特に色合いがイメージと違う、想像よりも安っぽく見えるなどの失敗談は多いため、要注意。

素材も文字で書かれているだけで、質感まではなかなかイメージしにくいもの。

写真だけなく、レビューなども参考にするといいですよ。

施主支給をする際の注意点

施主支給でのトラブルは、施主側に問題があることが多いです。

スムーズに工事を進めるためには、建築会社や大工さんへの配慮も大切。

トラブルを防ぐためにも、施主支給の注意点をしっかりと確認しておきましょう。

必ず契約前に施主支給の希望を伝える

施主支給を希望する場合には、必ず契約前に担当者に伝えておきましょう。

特にキッチン・洗面・トイレなどの住宅設備や、金額の大きいものは契約後には受け付けてもらえないことが多いです。

また、打ち合わせが進んでから、施主支給の方がお得だからと相談しても基本はNG。

建築会社によっては取り扱いがない商品もあるため、採用したいものがあれば事前相談も忘れずに行いましょう。

サイズや強度を確認する

施主支給したい商品が決まったら、必ず詳細を伝え、取り付けに問題がないかを確認してもらいましょう。

高さが合わない、スペースに収まらない、強度が不安などのトラブルを防ぐためにも、確認は大切。

造作の場合は、商品のサイズによって他の寸法が変わることもあるため、なるべく早く決めましょう。

素材によって向き不向きもあるので、取り付けしたい場所に合ったものを選んでくださいね。

施工説明書をもらう

施主支給するものにもよりますが、施工業者用も施工説明書があるほうが安心です。

施工にあたっての注意点や、推奨される部品などが記載されており、正しく施工することでトラブル防止にもなります。

壁に下地が必要なこともあるので、なるべく早く商品を決め、詳細を担当者に伝えておくことが大切。

取り付けの段階になって”付けられません”では困るので、情報は多いに越したことはありませんよ。

逆に高くなってしまうこともある

商品を安く購入できても、取り付けの費用が高額になってしまい、逆に高くつく場合もあるので注意が必要です。

基本的には大工さんに取り付けを行いますが、専門業者でなければ取り付けできないものも。

商品の発注と取り付けの場合と、取り付けだけの場合では、取り付けにかかる費用は変わります。

遠方の場合は別で出張費などが加算されることもあるので、取り付け費の見積もりももらっておくと安心です。

照明はコードの長さや電圧に注意

照明器具の施主支給を考えている人は、特に注意が必要。

例えばインテリアショップでペンダントライトを購入したとして、コードが長いままではそのまま取り付けられません。

取引業者に発注する場合は、打ち合わせでコードの長さを決め、コードのカットも同時に依頼します。

コードのカットは自分ではできないため、購入先にお願いするか、専門業者に依頼してカットしてもらいましょう。

また、海外の製品を自分で購入する場合には、電圧の違いに要注意。

現地で購入した商品や個人で輸入した商品は、そのまま使用すると壊れてしまうため、電線や電球の入れ替えなどが必要です。

施主支給におすすめの商品

施主支給できるもの、できないものは建築会社によって異なりますが、トラブルが不安な場合には施主支給しやすい商品だけにしておくのがおすすめ。

施工が簡単で、なかには施主支給向けの商品を扱っているメーカーもあるので、チェックしてみてください。

インテリアパーツ

インテリアパーツとは、タオルバーやトイレットペーパーホルダー、壁掛けミラー、飾り棚などの小物のこと。

壁に取り付けるだけの簡単な施工なため、あまり手間にもならず、施主支給で多い商品ナンバーワンです。

最近では水周りの造作が人気で、細かいパーツまで自分好みにしたいという人が多数。

ちょっとしたインテリアパーツは施主支給して、統一感のある空間を目指しましょう。

照明器具

最近ではおしゃれでコスパのいい照明器具がたくさん発売されており、ネットショップでも簡単に購入できるようになりました。

ブランド照明のリプロダクト品も多く、同じデザインを安く手に入れられます。

照明はメーカーが多いこともあり、取引業者では取り扱いしていないというケースも多々。

すぐに取り付けられる状態で売られている商品も多いので、ぜひお気に入りを見つけて、施主支給を活用しましょう。

作家さんの手作り商品などは施主支給NGの場合もあるため、事前に相談してくださいね。

カーテン

カーテンは専門店に依頼すると高くなりがちなので、施主支給にすると費用を抑えられます。

最近ではホームセンターや家具屋でもカーテンを購入でき、IKEAや無印などで購入する人も多いですよ。

カーテンの取り付け方法やデザインについては事前に打ち合わせを行い、下準備をしてもらってくださいね。

カーテンレールを天井付けにしたり、カーテンボックスでレースを隠すデザインが人気なので、参考にしてみてください。

施主支給で家づくりの満足度を上げよう

施主支給はしっかりとルールを守り、デメリットに注意して行えば、家づくりの選択肢を無限に広げてくれます。

どんどんルールは厳しくなってはいますが、デザイン性の高いおしゃれな家づくりのためには、施主支給は欠かせません。

建築会社によって対応は全く違い、なかには取付の簡単なものなら無料で付けてくれるところも。

反対に施主支給は一切お断り、という場合もあるので、必ず事前に確認してくださいね。

自分たちの理想の家づくりを叶えてくれる建築会社を選んで、家づくりを楽しんでください!

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