いつかはマイホームと考えていても、どうしても気になるのが予算の問題。
子供の学費や老後の資金など、将来のことを考えるとなるべく費用は抑えたいですよね。
注文住宅=高いというイメージがありますが、実は間取りやデザインの工夫次第ではお得に建てられるんです。
最近ではローコストを売りにしている建築会社も多く、予算を抑えながら注文住宅を建てた人はたくさんいます。
実際に1,000万円前後で注文住宅を建てた人の、間取りや費用の実例をご紹介するので、ぜひ参考にしてください!
大手ハウスメーカーに4年 / 年間1,000棟を手掛けるビルダーに8年
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1,000万円の注文住宅はどんな家?
注文住宅は間取りやデザインを自由に決められる、フルオーダーの設計が魅力。 フラット35の利用者調査によると、2020年度の注文住宅の費用の相場は3,534万円となっており、1,000万円はかなりローコストであると言えます。 では、1,000万円で注文住宅を建てようとするとどんな家になるのでしょうか。
四角形の二階建て
注文住宅の場合、角が少なく四角形に近いほど、建築費用は抑えられます。
そのため1,000万円でコスパ良く建てようとすると、複雑な形は避け、シンプルな形の家になるでしょう。
また同じ床面積でも、平屋や半平屋に比べると二階建ての方が安く済むため、総二階がベターです。
四角形と聞くと「それってダサくないの?」と思うかもしれませんが、外壁の色や屋根の形状次第では都会的なスタイリッシュな外観になりますよ。
セミオーダーの間取り
最近はフルオーダーではなく、一部が企画化されたセミオーダーの注文住宅も人気です。
建築会社にもよりますが、外観が決まっていて間取りは自由であったり、決められた間取りの中から好みのものを選んだりと、形式は様々。
一部を企画化することでコストを抑えつつ、建売とは違うオリジナリティのある家づくりが叶えられます。
コスパ重視のセミオーダーでは、間取りだけでなく、内装や設備の仕様も企画化されていることが多いです。
コスパのいい資材・建材
家を作るためには様々は資材や建材が必要です。
例えば断熱材や遮熱シート、外壁材や屋根材、床材、窓、室内ドア、設備などそれぞれにグレードがあり、価格も様々。
1,000万円で注文住宅を建てるためには、資材や建材にコスパのいいものを使用し、原価を下げるのが必須です。
外壁材であれば安価で種類も豊富なサイディング、屋根はスレート、床はシートフローリング、室内ドアはシート貼り、壁はクロスを使用するのが一般的です。
キッチンも対面式ではなくI型、トイレもタンクレスではなくシャワートイレといったように、なるべく費用を抑えられるものを選びましょう。
床暖房や全館空調といった設備は、1,000万円の予算では厳しいかもしれません・・・
既製品を活用したデザイン
注文住宅では、サイズやデザインを自由に決めることができ、オリジナリティも出せる造作が人気ですよね。
洗面やトイレの手洗い、キッチン収納、TVボードなどが特に人気ですが、1,000万円で建てるには造作ではなく、既製品を活用することになるでしょう。
既製品は費用を抑えられるだけでなく、使い勝手の良さやメンテナンスのしやすさが魅力。
さらにメーカーによる保証も付いてくるので、万一故障してしまっても安心です。
多目的に使用できる間取り
一般的に、坪数が大きくなればなるほど建築費用は高くなります。
そのため、1,000万円でコスパ良く建てるためには、限られた床面積で使い勝手の良さを叶える必要があります。
例えばクローゼットを一ヵ所にまとめてファミリークローゼットにする、洗面脱衣室を作る、収納をまとめて納戸にするなど、間取りの工夫をしましょう。
トイレを一階だけにする、パントリーをやめてカップボードの収納力を上げる、玄関ホールをなくすなどの工夫も効果的です。
1,000万円の間取りと費用の実例
実際に1,000万円で注文住宅を建てた人の、間取りと費用の実例をご紹介します。 どれもシンプルながらも、自分らしさを詰め込んだ注文住宅らしいデザインが魅力。 費用を抑えるヒントもたくさんあるので、参考にしてみてください。
【1,016万円/31.3坪】BOX型のミニマムハウス
約1,000万円という高コスパで建てられたこちらのおうちは、間仕切りの壁を極力なくした、シンプルな3LDKの間取り。
玄関からLDKまでのホールがないため、LDKが広々としていて窮屈さを感じません。
賃貸住宅では玄関が狭く収納に困りがちですが、こちらは玄関も十分な広さがあるので、収納力もばっちり。
シンプルな外観ですが、グレーの外壁とアクセントの白は同系色で相性が良く、おしゃれさも兼ね備えています。
外構も余分を省きシンプルにすることで建物とのバランスが良く、トータルで費用を抑えられています。
【1,225万円/35.5坪】真っ白な外観が映えるシンプルデザイン
凹凸をなくした四角い形と、真っ白な外壁がおしゃれな4LDKのおうち。
縦型スリットの窓が都会的で、ローコストながら安っぽさを感じさせません。
広さを感じやすい長方形の形と、壁付けキッチンのLDKは解放感がばっちり。
二階は余計な壁を取り払い、お子さんの成長に合わせて使えるフレキシブルな間取りにすることで、初期費用を抑える効果もあります。
既製品を上手に使ったデザインは、コストカットのお手本になりますね。
【1,029万円/26.6坪】薪ストーブのあるこだわりの平屋
1,029万円というローコストながら薪ストーブもある、注文住宅ならではのデザインが魅力的。
コンパクトながらも水回りと居室をそれぞれ一カ所にまとめ、家事動線も意識した間取りもいいですね。
リビングの勾配天井と梁もおしゃれで、梁に配置された照明からもこだわりを感じられます。
将来的な老後のことも考え、室内のドアは全て引き戸でまとめているのも参考したいポイントです。
【1,620万円/30.8坪】コミコミ価格のローコストハウス
4LDKという大満足の間取りで、建物の建築費だけでなく、付帯工事や諸費用も込みで1,620万円というローコストを実現しています。
付帯工事や諸費用で数百万はかかるため、かなりお得と言えますね。
ローコストながらも完全自由設計で、間取りもデザインのテイストも自分好みで建てることができます。
コミコミ価格のため、総予算を把握しやすいのも嬉しいポイント。
設備の標準仕様もコスパに優れ、使い勝手のよいメーカー品を採用しているので要チェックです。
【934万円/19.28坪】最強コスパの2LDK
1,000万円を切って建てられる最強コスパのおうちは、単身や夫婦二人での生活にぴったりの2LDKの間取り。
洗面と脱衣を一体にしたり、廊下を少なくすることで、無駄のないコンパクトな間取りです。
居室はそれぞれ十分な広さがあるため、個々の時間もゆったりと楽しめますね。
こちらはフルオーダーの注文住宅ではなく、複数ある間取りタイプから好みのものを選ぶセミオーダーの注文住宅です。
【1,606万円/24.54坪】高コスパで建てる自然素材の家
自然素材というと、価格が高いイメージですよね。
しかし月々の支払いが家賃と変わらない値段で、工夫次第で自然素材の家も建てられます。
さらに、1,606万円のなかには付帯工事や照明代も含まれているというから驚きです。
こちらのおうちは、たくさんある間取りプランのなかから好みのものを選ぶ、セミオーダーの注文住宅。
間取りを企画化することで設計料をカットする、最近流行りのスタイルですね。
【1,067万円/22.54坪】インナーガレージのあるコンパクトハウス
シンプルな外観が特徴のこちらのおうちは、子育て世代にぴったりの3LDKの間取り。
22.54坪とあまり広くはありませんが、玄関収納やクローゼットなど、収納スペースが充実しています。
さらにインナーバルコニーがあるため、洗濯物を干す場所にも困りません。
間取りがシンプルなため、生活スタイルやお子さんの成長に合わせ、色々な使い方ができていいですね。
【1,122万円/35.0坪】大空間を実現したナチュラルハウス
1,122万円という低価格ながら、35.0坪という大空間に驚きですね。
家中をぐるっと回遊できる家事動線、広い洗面スペース、インナーバルコニーなど人気の間取りをぎゅっと詰め込んでいます。
こちらも用意された間取りプランから選ぶセミオーダー式ですが、なんと選べるプランは100プラン以上。
過剰にデザインに凝らないシンプル設計で、空間の広さとローコストを実現しています。
【930万円/29.0坪】ジャストサイズのつながりのある家
こちらは約30坪というジャストサイズの間取りが魅力の、2LDKのおうち。
お子さんの成長に合わせ、将来的には洋室を間仕切りできるよう、フレキシブルな設計になっています。
間取りの要望として人気が高い、パントリーやインナーバルコニーも配置して1,000万円以下は驚きです。
極力壁を少なくしたり、トイレを一階のみにするなど、コストカットの工夫が参考になりますね。
【1,008万円/24.3坪】自然素材たっぷりのエコハウス
無垢材や漆喰など、費用が高くなりがちな自然素材をたっぷり使用して、約1,000万円とは驚きです。
勾配天井やスキップフロアなど、注文住宅らしい間取りプランも魅力的ですね。
玄関とLDKが一体となったデザインは、統一感がありナチュラルな雰囲気を一層際立たせています。
家づくりにおいて何を重視するかは人それぞれですが、何よりも素材にこだわって作られたおうちは、愛着も人一倍ですね。
【1,130万円/34.3坪】4LDKのゆとりある北欧デザイン
凹凸の少ないシンプルな設計で、4LDKというゆとりある広さにも関わらず、コストカットを実現しています。
間仕切りの壁やドアが少ない設計は、回遊しやすさ、家事のしやすさにも効果的。
ただエアコンの効きにも影響するため、寒冷地の場合は設計士と相談してくださいね。
使い勝手のいいフリースペースや、贅沢に二ヵ所も配置されたウォークインクローゼットなど、ライフスタイルに合わせた間取りも魅力的です。
【1,150万円/30.8坪】子育てにぴったりな三角屋根の家
シンプルかつリーズナブルな三角屋根でも、メインのブラックとBOX型のアクセント壁でデザイン性がUP。
室内のインテリアとのバランスもよく、おしゃれなシックハウスにまとまっています。
20帖のLDKと子供部屋、小屋裏収納など、子育て世代にぴったりのゆとりある間取りですね。
シューズクローク・パントリー・階段下の収納など、不足しがちな収納スペースも充実しています。
コスパ良く建てる際の注意点
コスパにこだわった家づくりをするためには、間取りの工夫、設備の工夫などが必須です。
しかし、費用にばかり目がいってしまい、暮らしやすさを欠いてしまってはいけません。
初期費用を抑えたばっかりに、生活に不便さが出たり、メンテナンスコストがかかってしまうのはNG。
コスパ良く建てるためには、暮らしさすさにも注意しながら計画を進めていきましょう。
間取りはなるべく妥協しない
予算が合わない・・・というとき、最も効果的にコストカットできるのが「坪数を小さくすること」です。
坪数が小さくなると、コストカットできるだけでなく、空調の効きも良くなりますし、固定資産税も安くなるなど様々なメリットが。
しかし、予算に合わせるために無理に間取りを妥協するのはおすすめしません。
間取りを妥協できるなら、注文住宅でなくとも建売でもマンションでもいいですよね。
坪数を小さくするのはもちろんいいですが、ただ小さくするだけでなく、間取りの希望を叶えられるよう工夫しましょう。
一点でもこだわりを持つ
せっかく注文住宅で建てるなら、予算も大事ですが、一点でもこだわりを持つと家づくりも楽しくなります。
間取りでもいいですし、外観デザインでも、内装デザインでもOK。
例えば本を読むのが好きなら、日当たりのいい一角に本を読むスペースと、本棚を作る。
愛犬のためのペットスペースや、猫ちゃんのためのキャットウォークを作る。
ホームシアターを楽しめる設備やスペースを用意する。
ファッションが好きだから、こだわりのクローゼットにする。
毎日の日課や自分の好きなことを家づくりに取り入れると、おうち時間も充実するのでおすすめです。
装飾よりも性能にお金をかける
家づくりにおいて、どこにお金をかけるのかは人それぞれです。
しかしコスパ良く建てるためには、やりたいこと全ては叶えられないかもしれません。
そんなときは、デザイン性よりも性能を優先するのがおすすめ。
天井を板貼りにしたい、塗り壁にしたい、タイルを使いたい、造作したい・・・
おしゃれな家にしたいその気持ちは分かりますが、例え全て白のクロスでも、家具やインテリア次第で十分におしゃれになります。
それよりも、床暖房を入れる・浴室乾燥を付ける・食洗機を付ける・防犯ガラスにする・複層サッシにするなど「家の性能を決める部分」にお金をかけた方が、長く快適に暮らせますよ。
まとめ
1,000万円で家が建てられると聞くと夢のようですが、間取りの工夫やアイデア次第では、注文住宅でも安く建てられます。
お金をかければいくらでも満足のいく出来になりますが、限られた予算のなかで自分たちに合ったデザインを見つけていくことが大切です。
ここで紹介した実例でも、コストカットのために無駄を省きつつ、暮らしやすさも考慮した間取りでしたよね。
他にも注文住宅でのコストダウンの技も紹介していますので、参考にしてみてください。