マイホームを考えている人の多くが、マイホームに向けて貯金をしているでしょう。 「いくら貯まったら家を建てよう!」と目標があると、やりがいもありますよね。 ところで、注文住宅でマイホームを建てるには、どれくらいの頭金を用意すべきなのかを知っていますか? 最近では「頭金なしで建てました」という体験談も多いけど・・・実際のところどうなの?と疑問や不安を抱いている人も多いはず。 そこで本記事では、 ・注文住宅の頭金の相場は? ・頭金を支払うタイミングはいつ? ・頭金を支払うメリットを知りたい ・そもそも頭金って……なに? といった、注文住宅の頭金に関する疑問にお答えします!

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目次
注文住宅の頭金とは


注文住宅の費用について調べると、頭金・手付金・契約金・自己資金など様々な言葉が出てきます。 全て同じ意味では?と思うかもしれませんが、それぞれが指すお金は違うため、まずは意味を理解しておきましょう。
頭金の意味は?
注文住宅で家を新築する際、住宅ローンを組む人がほとんどでしょう。 頭金とは、建物本体の建築費のうち、住宅ローンではなく現金で支払うお金を指します。 頭金の費用の目安は建築費の10%~20%ほどと言われていますが、はっきりとした決まりはなく、頭金なしで家を建てる人も多いです。 ただし、例えば建築費が3,200万円、住宅ローンの融資額が3,000万円といったように、建築費>住宅ローン融資額 の場合には差額を頭金として支払わなければなりません。
手付金・契約金の意味は?
手付金と契約金の意味は同じで、建築会社と建築工事請負契約を結んだ際に、建築会社に支払うお金を指します。
手付金・契約金の目安は建築費の10%ほどと言われていますが、建築会社によって異なり、金額を一律で決めている場合も。
建築工事請負契約後には、地盤調査や役所への申請、図面の作成などを行っていきますが、それらの費用に充てられます。
また、簡単に解約ができないように、という意味も。
頭金とは違い、手付金・契約金は基本的には必ず支払いが必要です。
自己資金の意味は?
自己資金とは、注文住宅での家づくり計画に際し、ローンを使わず支払う費用の総額を指します。 注文住宅では建築費の他に、諸費用の支払いや、契約金・手付金などが必要です。 自己資金の中から、諸費用や手付金・契約金を支払い、残金を頭金として充てるのが一般的。 つまり、自己資金=諸費用+手付金・契約金+頭金 となります。 「頭金なし」と「自己資金なし」は意味合いが違うので、注意してくださいね。
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自己資金の費用の相場


2020年度(2020年4月~2021年3月)のフラット35利用者調査によると、注文住宅で建てた人の自己資金の平均は 529.8万円 でした。
土地あり・土地なしそれぞれの平均は、
土地あり:619.0万円
土地なし:440.5万円
となっており、土地から購入するかどうかによって、費用は大きく異なるようです。
さらに地域別に見ると、
首都圏 | 近畿圏 | 東海圏 | その他地域 | |
土地あり | 749.8万円 | 651.6万円 | 625.4万円 | 555.6万円 |
土地なし | 534.8万円 | 433.5万円 | 423.2万円 | 398.1万円 |
このような結果になっており、地域によっても差があることが分かります。
首都圏は賃金が高いことと、土地代が高いため注文住宅で建てるのは富裕層が多いことから、自己資金も多いという結果に。
自己資金から諸費用と手付金・契約金を引いて、だいたい100万円~200万円ほどを頭金として支払うことになりますね。
ただし注文住宅の自己資金は年々減少傾向にあり、それに伴い頭金の相場も低くなってきています。
今後は全額融資のフルローンで家を建てる、という人が増えてくるかもしれませんね。
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頭金を支払うタイミングは?


住宅ローンを組む場合、一般的には家が完成し、引渡しが完了した時点でローン実行となります。
ローンが実行されると住宅ローンの支払いが開始されるため、引渡し後より返済が始まりますよね。
では、頭金はいつ支払うのかというと、建築工事請負契約後からローン実行日までの間です。
手付金を多く払い頭金に充当してもいいですし、ローン実行日までにお金を貯めて支払うのもいいでしょう。
後で詳しく解説しますが、頭金の金額が多ければ多いほど、借入額が少なくなるため、総支払額が安く済みます。
注文住宅では契約してから完成まで半年~一年ほどかかるため、打合せ期間に頭金を貯めるという人もいますよ。
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頭金を支払うメリット


頭金の支払額は人それぞれですが、頭金が多いほど様々なメリットがあります。 注文住宅は何千万円という大きな買い物なので、預貯金額や、毎月の収支、今後の生活の変化も考慮し、頭金でいくら支払うか決めていきましょう。
総支払額が少なくなる
住宅ローンには金利がかかるため、融資金額が多く、返済期間が長いほど総支払額が高くなります。
そのため頭金を多く支払えば、それだけ利息分の負担を減らすことができ、結果として総支払額は安く済みます。
例えば注文住宅にかかる総額が3,500万円とすると、頭金の金額によって総支払額はどのくらい変わるのでしょうか。
頭金の金額 | 借入額 | 毎月の返済額 | 総支払額 |
0円 | 3,500万円 | 93,194円 | 39,141,276円 |
100万 | 3,400万円 | 90,531円 | 38,022,965円 |
200万 | 3,300万円 | 87,868円 | 36,904,662円 |
300万 | 3,200万円 | 85,206円 | 35,786,290円 |
400万 | 3,100万円 | 82,543円 | 34,667,983円 |
500万 | 3,000万円 | 79,880円 | 33,549,675円 |
上の比較表を見てみると、頭金なしと頭金500万円の場合では 約560万円 の差になることが分かります。 560万円あれば、高級車が一台買えてしまいますね… 一ヵ月の返済額も一万円以上違うので、月々の返済も負担が減るというメリットもあります。
返済期間を短くできる
借入額が少なくなれば、住宅ローンが完済するまでの返済期間を短くすることが可能に。
一般的に住宅ローンは35年の長期で組むことが多いですが、仮に返済開始時に35歳だとすると、完済時には70歳になってしまいますよね。
例えば頭金を500万用意し、借入額3,000万円の場合、35年ローンと30年ローンで費用を比較すると、
ローン返済期間 | 毎月の返済額 | 総支払額 |
35年 | 79,880円 | 33,549,675円 |
30年 | 91,744円 | 33,027,933円 |
このようになり、頭金500万円・35年ローンの場合よりも、5年早く完済でき総支払額も約52万円安くなります。
金利が安くなる可能性がある
これは金融機関によりますが、 頭金を多く支払う=資金管理ができる=信用できる といったように、頭金を多く支払うことが信用につながることも。 例えば住宅ローンで人気のフラット35では、融資率が9割以下なのか、9割超なのかで金利が異なります。 検討している金融機関の住宅ローン商品のうち、条件付きで金利の引き下げがないかどうか、確認してみるといいでしょう。
頭金を支払うデメリット


最近では、注文住宅でも頭金なしのフルローンで建てる人が増えてきています。 頭金を支払うことのメリットは大きいですが、人によってはデメリットが重く感じられることも。 メリットとデメリットを比較し、自分たちのライフスタイルに合った方を選ぶといいですよ。 金融機関によっては、無料でファイナンシャルプランナーに相談できるところもあるので、プロに相談するのもいいでしょう。
お金が貯まるまで待たなければならない
頭金を多く支払うためには、それなりに貯金しておかなければなりません。
例えば自己資金の相場である529.8万円をゼロから貯めるとなると、毎年100万円貯めたとしても、5年以上かかります・・・
住宅ローンは超低金利が続いていますが、もしかしたら上昇するかもしれないですし、ウッドショック以降は建築資材の価格高騰により、建築費が上昇しました。
せっかく頑張ってお金を貯めても、その間にどんどん値上がりしてしまったら、なんだか損した気分ですよね…
今後も大きな変化があるかもしれないので、だらだらするのではなく、いつまでにと期限を決めて貯金するといいですよ。
貯蓄がゼロになる不安がある
充分にお金を貯めて頭金を支払うのならいいですが、大半を頭金に充ててしまい、貯蓄がゼロになることは避けなければなりません。
日々の生活費はもちろんのこと、もしものケガや病気、収入の変化に備え、ある程度の貯蓄は必要です。
また引渡し後には、不動産取得税や固定資産税の支払いもありますし、新築時は家具や家電を揃えたくなるもの。
今後の出費にも注意し、必要最低限のお金は残しておきましょう。
まとめ


ここまで注文住宅の頭金などについて説明してきましたが、要点をまとめると、
- 頭金は必須ではない
- 建築費>住宅ローン融資額の場合は頭金が必要
- 頭金はローン実行時に支払う
- 頭金は払えるなら払ったほうがいい
以上のことを踏まえ、メリットやデメリットも考慮しながら、自分たちに合ったマネープランを考えましょう。
理想は、ある程度のまとまったお金を用意しておき、無理のない範囲で頭金を支払うこと。
しかし正解はありませんので、迷ったらプロに相談するなどしながら、家づくりを進めていきましょう。