注文住宅で予算オーバーしないコツと、対処法を大公開!

注文住宅は自由度が高く、理想を詰め込んだ家づくりが叶えられるのが魅力です。

マイホームは大きな買い物なので、しっかりと予算を決め、予算内に収まるよう計画していくことが大切。

家が建つ前であれば、家の大きさや間取りを変更することで調整できますが、建ち始めてからの予算オーバーには注意が必要です。

実は、打ち合わせを進めていくうちに予算オーバーになってしまったという体験談はとても多いんです。

ここでは、

・予算オーバーしてしまう原因はなに?
・もし予算オーバーしたらどうしたらいい?

といった、予算オーバーの原因として多い事例や、予算オーバーしたときの対処法などのお役立ち情報をご紹介します。

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目次

注文住宅で予算オーバーしてしまうのはなぜ?

すでに家が完成している建売住宅とは違い、注文住宅は契約をしてから家を建てはじめます。

契約までに家の間取りやデザイン、おおよその資金企画などは決まっていても、打ち合わせを進めていくうちに予算オーバーしてしまうことは少なくありません。

予算オーバーになってしまう原因は、主に「予定外の出費」「契約前の見積もりの精度」「資金計画の精度」「設備や性能のグレードアップ」「内装の装飾費」です。

予定外の出費

予定外の出費として多いのが、地盤改良費です。

地盤改良は建物を支えるためにも必要ですが、実際に調査してみないと分からないのが実情。

地盤の調査には費用がかかるため、しっかりと調査をするのは契約が決まってからなんです。

そのため契約前の段階で正確な金額は分からず、調査の結果、予想以上に費用がかかってしまうことも。

もちろん近隣情報やハザードマップなどからある程度予測はできますが、必ずしもその通りの結果になるとは限りません。

特に古い家の建て替えで、数十年のうちにどんどん家が建ち住宅街になったような地域では、地盤改良費が高額になることもあるので注意が必要。

逆に、地盤改良が必要だと思っていたら必要なかった、というラッキーなケースもありますよ。

契約前の見積もりの精度

本来あってはならないことですが、契約前の見積もりを安く見せるために、予算をしっかりと取っていなかったというケースがあります。

例えば「キッチンにこだわりたい」「洗面を造作したい」「おしゃれな鉄骨階段にしたい」などと事前に伝えていても、見積もりに入っている予算が十分でなければ意味がありません。

初めて家づくりをする人からすれば、どのくらいの予算が妥当なのかは分からないですよね。

きちんと予算を取ってあるからといって安心するのではなく、自分たちのイメージしているデザインに必要な費用を、しっかりと予算に入れてもらいましょう。

標準仕様以外のものを採用したい場合には、想像以上に高額になるケースもあるので、事前に費用の相談をしておくと安心です。

資金計画の精度

資金計画とは、家づくりに必要なお金を全て書き出し、全体の予算を把握するためのもの。

注文住宅の家づくりでは、建築費用以外にもたくさんのお金がかかります。

そのため、資金計画は必要不可欠ですが、この資金計画の精度が悪いと予算オーバーの原因に。

資金計画は契約の段階で金額が定かではない部分は、概算の費用を計上して作成します。

この概算の費用が、実際に必要な費用と見合っていないことがあるので、要注意。

  • 外構費用
  • 照明・カーテンなどの費用
  • 引っ越し代や家具家電の購入費
  • 家の取得に必要な費用(登記費用・不動産取得税・固定資産税など

特にこれらは極端に安く見積もられていたり、費用が「別途」と曖昧になっていたりするので、しっかりと資金計画に入っているかどうか確認しましょう。

設備や性能のグレードアップ

いざ打ち合わせをはじめると、どんどん欲が出てきてしまうもの。

実際にメーカーのショールームを回ったりしていると、値段の高いグレードのいい設備に惹かれることも多いでしょう。

ここでよくあるのが、高額な買い物ならではのどんぶり勘定です。

例えば設備・性能のグレードアップに200万円かかるとします。

普段なら200万円という高額に尻込みするものですが、それが何千万のうちの200万円、さらに何十年とう長い期間で支払うと考えると、どんぶり勘定してしまいがちに・・・

"200万円でも、30年で割れば月々5,500円くらいのプラスで済む"などと考え、グレードアップしすぎるとあっという間に予算オーバー。

特に以下の設備や性能のグレードアップは要望として多いです。
  • キッチンのグレードアップ(天板・水栓・レンジフード・扉の面材など)
  • 浴室のグレードアップ(汚れにくい素材など)
  • 断熱材のグレードアップ
  • サッシの断熱性のグレードアップ
  • 暖房設備の導入(床暖房・全館空調など)
  • 防犯設備の導入(防犯ガラスなど)
  • 電子化へのグレードアップ(玄関のタッチキー・電動シャッターなど)
グレードアップによる予算オーバーを抑えるためには、契約する前に「標準仕様」がどのようなものなのか、しっかり把握しておくことが大切です。

内装の装飾費

家づくりは間取りや設備だけでなく、床材やクロスなどの内装も大切ですよね。

内装の打合せは契約後に行うのが一般的なので、打合せが進むにつれてどんどん要望が増えていってしまいがち。

内装の装飾として多い要望としては、

  • 床材のグレードアップ(無垢・フロアタイルなど)
  • 壁の装飾(タイル・エコカラット・塗り壁など)
  • 天井の装飾(木板貼り・ルーバーなど)
  • 間接照明
  • 造作(洗面・TVボードなど)

などが多いです。

どれも取り入れればおしゃれ度をグッと上げてくれるものばかりですが、どれもこれも取り入れてしまうとあっという間に予算オーバーしてしまいます。

タイルや塗り壁といっても、種類や範囲によっても金額が大きく変わるので、予備費として予算を取っておくと安心です。

予算オーバーしてしまったときの対処法

予算オーバーしてしまったら、他の部分で調整するなど、資金計画の見直しが必要となります。

予算オーバーしたまま計画を進めてしまうと、お金が足りなくなったり、完成後の生活に余裕がなくなってしまうことになりかねません。

資金に余裕がある場合を除いて、必ず総額で予算内に収まるようにしていきましょう。

優先順位をつける

予算オーバーをしてしまった際は、どうしてもこだわりたい部分と、そうではない部分の優先順位を決めましょう。
  • LDKにはこだわり、他の部屋はシンプルにする
  • キッチンはグレードアップし、他は標準仕様にする
  • 来客のあるパブリックスペースのみこだわる
  • 二階はシートフローリングにする
  • 床暖房か樹脂サッシどちらかにする
など、家全体のグレードアップをするのではなく、ポイントを絞っていくことで予算の上がりすぎを防ぐことができます。

設備のグレードを見直す

必要以上にグレードの高い設備を選んでいないかどうか、見直しをすることで費用を抑えられる可能性があります。

例えばタンクレストイレを採用している場合、二階をシャワートイレに変えるだけでも数万円のコストダウンに。

他にも人造大理石カウンター・タッチレス水栓・洗面台の収納付きミラー・お風呂の装飾壁パネル・自動洗浄機能など、なくてもいいかなと感じる部分があれば取り止めて、費用を抑える工夫をしましょう。

ただし、標準仕様で設定されているものは、なくしても減額にならないことも。

標準仕様からグレードを下げる場合は、減額になるのかどうか確認しておくといいですよ。

外構費用を見直す

コストダウンに最も効果があるのは、建物の坪数を減らすことです。

しかしすでに打合せがかなり進んでいる場合、部屋の間取りを変更したり、内外装のデザインを大きく変えるのは避けるべき。

そんな時は、一番最後に工事を行う外構工事で費用を調整してみるのもいいでしょう。

例えばカーポートや塀を取りやめる、ウッドデッキをやめる、芝を砂利に変える、植栽を自分で用意する、コンクリート打ちを車が入る部分だけにするなど、予算内でできる内容に見直してみましょう。

DIYできるのは自分でDIYする

飾り棚・収納棚・水回りアクセサリーの取付けなど簡単なものは、なるべく自分でDIYすることで費用を抑えることができます。

施主支給ではなく、取付も自分で行う”施主取付”を検討しましょう。

最近ではDIYを紹介している雑誌や、YouTubeの動画などもたくさんあるので、調べてみてできそうだなと思うものは挑戦してみるといいでしょう。

ただ、取り付けるために壁や天井に下地が必要なこともあるので、必ずプロに相談して必要な工事は事前に行ってもらってください。

施主支給を上手に活用する

施主支給とは、設備・建材・照明器具などを自分で手配し、工事や取付だけを建築会社にお願いすること。

例えば照明器具ならネットで安くておしゃれなものがたくさん売っていますし、エアコンも家電量販店でまとめ買いをすれば、安く済むことも。

カーテンも専門店はなく、気に入ったものがあればインテリアショップで購入してもいいでしょう。

ただ施主支給については、建築会社によっては対応してもらえないこともあるので、希望する場合は事前に確認が必要です。

また、施主支給した部分については、なにか不具合があっても保証の対象外になるといったデメリットも。

必ず施主支給の条件を確認し、デメリットも考慮して選択してくださいね。

予算オーバーにならないためには?

着工後に予算オーバーになってしまうと、間取りや家の大きさはもう変えられないので、細かい部分で調整するしかありません。

予算オーバーはしないに越したことはないので、あらかじめ対策をして安心して打合せを進められるようにしましょう。

事前にショールームに行く

キッチン・トイレ・お風呂などの住宅設備は、グレードアップ費がかかりがち。

特にキッチンは同じシリーズでも、扉の面材・水栓・天板・シンク・レンジフードの素材や機能によって金額が変わります。

出来れば契約前にショールームに行き、標準仕様だとどのくらいなのか、自分の理想と差がないかを確認しておくといいでしょう。

ショールームに行くとあれもこれも追加したくなりますが、本当に必要な機能なのかどうか、費用対効果もきちんと考慮してくださいね。

デザインの希望を事前に伝える

洗面台を造作したい、キッチン前の壁を造作したい、壁にタイルを貼りたい、天井を板貼りにしたいなど、希望があれば契約前に伝え、必ず予算を資金計画に組み込んでおきましょう。

造作洗面なら、50~60万円ほど予算をとっておくと安心。

造作はどうしても人の手が入るぶん、予想よりも高くなりがちなので要注意です。

タイルなら大判サイズで存在感があるものほど費用が高くなるため、具体的にイメージしておくといいでしょう。

他にも内装を悩んでいる場合は、高めに費用を取っておくと予算オーバーを防げます。

見積りの内容を確認する

建築会社からすると、なるべく見積もりは安く見せたいもの。

そのため、見積書には追加費用のかからない工事のみを計上してあることがあります。

設備のグレードアップや内装デザインの費用は「別途追加費用」「オプション費用」などと記載されていることもあるので注意しましょう。

概算の予算で計上されているような場合もあるので、費用の根拠や、希望を叶えるのに十分な予算かどうかも確認してくださいね。

予備費を用意しておく

設備のグレードアップや内装の装飾費は、打合せが進んでからでないとイメージがしにくいかもしれません。

そんな時は、予備費として数十万円ほど予算をとっておくと安心です。

設備のグレードアップなどで迷ったら、予備費用でやりくりできる範囲に限定する決めておくと、予算オーバーを防ぐことができます。

契約の段階で予算に余裕がないと、いざ詳細な打ち合わせが始まってから、諦めることが多くなってしまいます・・・

満足のいく家づくりをするためにも、予算取りには十分に注意しましょう。

まとめ

注文住宅は一から自分で決めることができるため、どうしても理想が高くなってしまいがち。

予算との兼ね合いをどう付けるのか、後悔が残らないように、じっくりと考えて計画を進めていくことが大切です。

一番だめなのは、「数百万くらい」とどんぶり勘定になってしまうこと。

予定以上に月々のローン返済が多くなって、生活に余裕がなくなるようではいけません。

はじめに決めた予算に収まるよう、工夫しながら理想の家づくりをしていきましょう。
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